心理学のキホン

「インテーク面接」をわかりやすく解説。大事なのはラポール形成

2021年8月29日

インテーク面接

心理学用語

intake interview
インテーク面接

インテーク面接とは、相談にやってきたクライエントに行う初回面接のことです。

「インテーク(intake)」は英語で「受け入れる」という意味で、クライエントを受理するかどうかの判断をするので、「受理面接」ともいいます。

初回といっても1回だけじゃなくて、複数回行う場合もあるよ。

今回はこの「インテーク面接」について、くわしく解説をさせていただきます。


インテーク面接の目的とは?


インテーク面接の目的

まずインテーク面接をする”目的”はこの2つです。

インテーク面接の目的

  1. 情報収集
  2. 情報提供


①情報収集


インテーク面接-情報収集

「情報収集」とはクライエントについての情報を集めることです。

抱える問題や状況を理解し、クライエントの主訴(シュソ)、つまり何を求めてやってきたのかを確認します。

心理検査などを用いたアセスメントを実施することもあります。


②情報提供


インテーク面接情報提供

「収集」の結果、提供できる支援についての”情報提供”をします。

クライエントに援助が必要で、それが実施可能であるならば、援助方針をわかりやすく伝え意思の確認をおこないます。

クライエントに援助方針などを説明をし同意を得ることを”インフォームド・コンセント”といいます。


インテーク面接で大切なこと


インテーク面接のラポール

インテーク面接において大切なのは、「ラポール」の形成です。

ラポールとは、援助者とクライエントの信頼関係を指します。

はじめて相談機関を訪れる時、クライエントは「二重の不安」を抱くといわれています。

ひとつが”自身の問題に対する不安”であり、もう一つは”相談機関に対する不安”です。

そのため情報収集を急ぎすぎたり、高圧的な態度で接したりすると、クライエントが安心して自分のことを語ることができなくなります。

また援助者は清潔な身だしなみと安心できる雰囲気で、クライエントを尊重し、共感的に傾聴する姿勢が求められます。

ラポールが形成されると、クライエントはセラピストに対して、安心して感情を表現し、自由にふるまうようになります。

つまりカウンセリングにとってラポールの形成は不可欠なことなんだ。


セラピストに対応できないときは?


リファー-インテーク面接

訪れたクライエントに対し、そのセラピストや相談機関では十分な対応ができないと判断される場合もあります。

例えば明らかに統合失調症と思われるクライエントには精神科を紹介したりします。

このように他の適切な専門家にクライエントを紹介することを「リファー」といいます。

クライエントのためにも最も適した専門家が援助すべきだよね。

そのため、セラピストは自らの能力や限界を知ることが求められます。

また、リファーをするときはクライエントが見捨てられたと感じないようにしなければなりません。

そのためリファーの時もインフォームド・コンセントを丁寧におこなうことが重要となります。

またリファーにおいてもラポールが必要なわけですね。


まとめ


インテーク面接まとめ

インテーク面接のポイントをまとめると、

インテーク面接とは?

  • 初回の面接のことで受理面接とも言う。
  • おもな目的は情報収集と情報提供。
  • 情報収集とは主訴を聞き取り状況を把握すること。
  • 情報提供とは援助方法を説明すること。
  • 説明し同意を得るのがインフォームド・コンセント
  • 援助が困難な場合はリファーが必要。
  • インテーク面接ではラポールの形成が不可欠。

以上インテーク面接についての解説でした。


ご参考にさせていただいた書籍



本日がみなさまにとって、すばらしい一日でありますように。

最後までお付き合いありがとうございました。

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