心理学用語
アセスメント
適切な援助をおこなうためには、クライエントのことや抱える問題を、できるだけ多角的な視点で把握する必要があります。

このようなクライエントの全体像を理解するための作業を「アセスメント(査定)」といいます。
今回はこのアセスメントについてくわしく解説していきましょう。
診断と査定は違う!
アセスメントとよく比較されるのが「診断」です。
医学的な「診断」は、病気の原因となる患部を発見することが重要なポイントとなります。
悪いところを探す=診断と言っていいでしょう。

一方、アセスメント(査定)はクライエントの全体像を理解することがポイントとなります。
そのため悪い部分に限らず、良い面も含んだ全体の把握をおこなっていきます。
クライエントのパーソナリティ・能力・環境など様々な面について、問題となる点も健康的な点もどちらも含めて把握していくのが「アセスメント」というわけです。
アセスメントの3つの方法
アセスメントには以下の3つの方法があります。
- 面接法
- 観察法
- 心理検査法
①面接法
対面で話し合い、言語的やりとりと非言語的なやりとりからクライエントを理解しようとするのが「面接法」です。
そしてこの面接法には、3つの種類があります。
●構造化面接:
質問内容があらかじめ設定されている。
●非構造化面接:
質問内容をあらかじめ設定しない。
●半構造化面接:
質問は多少設定するが順序や尋ね方は対話の流れで変更可。

②観察法
人の行動を観察、記録し分析することで、その特徴や法則性などを解明していくのが「観察法」です。
観察法には、2つの種類があります。
●自然観察法:
観察対象のありのままを観察する。
●実験的観察法:
目的に合わせ人為的に操作した状況下で観察する。

③心理検査法
最後が心理検査を用いた方法です。
心理検査はまず、性格検査と知能検査に大きく分かれます。
さらに性格検査は「質問紙法」・「投影法」・「作業検査法」の3つに分類できます。
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ただし、一つの心理検査で分かるのはあくまでも一つの側面です。
そのため一つの検査だけで決めつけてしまうのは危険です。
そこで心理検査を複数組み合わせ、複合的な視点でクライエント理解していくことになります。
これを「テスト・バッテリー」といいます。
このテスト・バッテリーなら各検査の欠点を補いあうことが可能です。

まとめ
以上アセスメントの解説でした。
まとめると以下の通りです。
・クライエントの全体像を理解する作業
・面接法、観察法、心理検査法の3つがある。
・面接法は、構造化・非構造化、半構造化がある。
・観察法は、自然観察法、実験的観察法がある。
・心理検査法は、性格検査と知能検査に大別。
・さらに性格検査は、質問紙法・投影法・作業検査。
今日はここまで。
ご参考にさせていただいた書籍
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