心理学用語
構造論
「人のパーソナリティー構造」は、以下の3つで構成されています。
構造論の3要素
- イド(エス)
- 超自我
- 自我
これはフロイトの提唱する「構造論」という理論で、おなじく彼が提唱した「局在論」の意識・前意識・無意識の3領域と密接に関わっています。
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今回はこの「構造論」の解説、そして局在論との関係性、違いをくわしく解説していきます。
イド(エス)
フロイトが人の心の源と考えた性的エネルギー「リビドー」が備蓄されているのが「イド(エス)」になります。
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イドは無意識の領域にひそみ、本能的欲求を生み出します。
もっとも原始的で「快楽原則」にもとづいて活動しようとします。
超自我
「超自我」は、イドを監視する心の検閲機関にあたります。
親のしつけや社会によって形成された価値観・倫理観をもとに、道徳的な判断を行います。
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自我
「自我」はイドと超自我の調整役です。
イドが強すぎれば快楽に流されるし、超自我が強すぎれば道徳に縛られて自分を追い込んでしまいます。
そのため自我は「現実原則」にもとづき、本能的なイドと道徳的な超自我をうまく調整するというわけです。
局在論と構造論
次に大学の試験問題などでもまぎらわしいと言われる、
●局在論(意識・前意識・無意識)
●構造論(イド・超自我・自我)
この2つの関係性と違いについて解説していきます。
2つの関係性
この図がまさに「イド・超自我・自我」と「意識・前意識・無意識」の構造関係をフロイトが描いたものです。
まず本能的「イド(エス)」はすべて無意識の中にあります。
次に調整役の「自我」は、無意識と前意識をまたぐようにあります。
同じく超自我も、無意識と前意識をまたぐようにあります。
ただ超自我はイドのうちに深く入り込んでいるので、自我よりも意識から少し離れた場所に位置しています。
参考論文
・「フロイトによる心的人格の構造図の意味と誤解」
高橋美保・仁平義明
2つの違い・区別のしかた
この2つの違いを考えるときは、何についての話なのかを考えると区別しやすいと思います。
●局在論=「人の精神」についての話。
●構造論=「人のパーソナリティ構造」の話
「人の精神は意識・前意識・無意識の3領域で構成されている!」というのが局在論。
そして、「人のパーソナリティ構造(性格、人格)はイド・自我・超自我の3つで構成されている!」というのが構造論。
そう考えてみると、違いが理解しやすいのではないでしょうか。
まとめ
今日は「構造論」のお話でした。
局在論も3つで構成されておりまぎらわしいのですが、しっかり違いを意識して理解していきましょう。
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