心理学のキホン

パーソナリティ障害とは?A・B・C3群。10種類ごとの解説

パーソナリティ障害

心理学用語

パーソナリティ障害
personality disorder

パーソナリティ障害」とは、属する社会の道徳や価値観から著しく偏ったパーソナリティによって生活に困難が生じる障害です。

その偏りは持続的に存在していて、本人にとって自然なものとして感じられています。

またパーソナリティ障害は、その状態が他の精神疾患や薬物、または生理学的な作用によるものでない場合に診断されます。

DSM-5では、A群、B群、C群の3群に分けられ、さらに10の個別のパーソナリティ障害に分類されています。

今回はこの「パーソナリティ障害」を理解するために、

この記事でわかること

    【A群の3つ】

  • 猜疑心(妄想性)パーソナリティ障害
  • ジゾイドパーソナリティ障害
  • 失調型パーソナリティ障害
  • 【B群の4つ】

  • 境界性パーソナリティ障害
  • 演技性パーソナリティ障害
  • 自己愛性パーソナリティ障害
  • 反社会性パーソナリティ障害
  • 【C群の3つ】

  • 回避性パーソナリティ障害
  • 依存性パーソナリティ障害
  • 強迫性パーソナリティ障害

この10個を一つ一つ解説していきます。


A群パーソナリティ障害

パーソナリティ障害A群

奇異で風変わりな行動を特徴とするのがA群です。

統合失調症に近い傾向をもっています。

A群は以下の3つに分かれるよ。


猜疑心(妄想性)パーソナリティ障害

他者の言動を悪意あるものと解釈してしまう障害です。

極端に疑い深く不信に満ちていることが特徴です。

統合失調症との違いは「幻覚」が存在しない点


シゾイドパーソナリティ障害

他社との親密な関係を望まず孤立しがちで、社会的活動に対して無関心なパーソナリティをもつ障害です。

平板な感情、他者への無関心さが特徴です。

「Schizoid」シゾイドとは「統合失調症のような」という意味です。


失調型パーソナリティ障害

他者から理解できない妄想様観念をもち、迷信を信じたり奇妙な言動をとる障害です。

考え方と話し方のために、他者との親密な関係を築くのが難しいというのが特徴。


パーソナリティ障害 B群

パーソナリティ障害B群

派手で突飛な行動を示すのがB群です。

ちなみに「境界性」と「自己愛性」が大学院試験にも頻出らしいです。


境界性パーソナリティ障害

著しい情緒不安定さや衝動性を示し、対人関係のおいても極端な不安定さが特徴的なパーソナリティを持つ障害です。

他者や自己に対する理想化とこき下ろしがみられます。

そのため浪費、性行為、薬物乱用、無謀な運転、過食、暴力、自傷行為といった激しく衝動的で自己破壊的な行動をする反面、見捨てられることを避けるためになりふりかまわぬ努力を行ったりします。

惰性的な空虚感を抱きやすいのも特徴のひとつ。


演技性パーソナリティ障害

芝居がかった派手な行動、独特の服装、化粧、髪の色で、他人から注目を浴びようとするパーソナリティをもつ障害です。

注目の中心にいないと不愉快になるという特徴をもつ。


自己愛性パーソナリティ障害

自己に対する誇大感があり、批判に対して非常に敏感で失敗を深く恐れるというパーソナリティをもつ障害です。

過剰な賞賛の要求、他者への共感の欠如などがその特徴。


反社会性パーソナリティ障害

社会規範を守らず、他社の権利を無視し侵害することをためらわないパーソナリティを持つ障害です。

不適応行動として虚言、窃盗、放火、器物破損、暴力などを起こしたりします。

無責任で怒りやすいのが特徴。


パーソナリティ障害 C群

パーソナリティ障害C群

不安を感じやすいのがC群です。

不安や恐怖が強く、周りの評価を気にする傾向を特徴とするパーソナリティ障害であり、神経症にも近い傾向をもちます。


回避性パーソナリティ障害

他人からの否定的評価を恐れ、対人接触を避けるパーソナリティを持つ障害です。

批判や拒絶を恐れるあまり、確実に自分が好かれる状況でなければ他者と親密な関係を築くことができないという特徴があります。


依存性パーソナリティ障害

他人から世話を受けることを強く求め、従属的でしがみつく行動が特徴的なパーソナリティをもつ障害です。

自主性がなく、他者に必要以上の助言を求めたり、他者からの分離に対しては、極度の見捨てられ不安を感じることもその特徴です。


強迫性パーソナリティ障害

完全主義者や過剰な倫理観のため物事を遂行できないパーソナリティをもつ障害です。

柔軟性がなく細かい規則・予定にとらわれたり、また他者にも期待するため人間関係が限られることも特徴の一つです。


パーソナリティ障害への援助

援助

パーソナリティは生活史のなかで少しずつ形成されたものであるため、根底から変化させることは困難といえます。

そのため適切な援助としては、直面している生活上の困難を1つ1つ改善し、適応的な生活を支援することが有効とされています。


まとめ~パーソナリティ障害~

最後にもう一度「パーソナリティ障害」のポイントをまとめます。

パーソナリティ障害まとめ

パーソナリティ障害とは、

  • 一般的とされる社会の価値観とは著しく偏ったパーソナリティによって生活に困難が生じる障害。
  • 持続的。
  • 3群に分かれる。

パーソナリティ障害の3群

  • A群=奇異な行動。
  • B群=派手で周囲を振り回す。
  • C群=強い不安や恐怖。
  • ※さらに細かく10の障害にも分類。

パーソナリティ障害の援助

  • 根底からの改善は難しい。
  • 直面する生活上の困難を改善していく。

以上、「パーソナリティ障害」についての解説でした。

ご参考にさせていただいた書籍


本日がみなさまにとって、すばらしい一日でありますように。

最後までお付き合いありがとうございました。

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