




人間の心や行動を研究する心理学。
人のいろんな営みを研究にしていったことで、たくさんの「〇〇心理学」が生まれました。
これから学びたい人からすると、多すぎるし、さらに考え方や研究方法もことなるので、選択にちょっと迷ってしまいます。
そんな時は、まず「基礎心理学」と「応用心理学」の2つに分類して考えることをおすすめします。
今回はたくさんある「〇〇心理学」を分類し、さらにそれぞれ「どんな学問なのか?」という理解を一緒に深めていきたいと思います。
基礎心理学と応用心理学のちがい
「基礎心理学」と「応用心理学」のそれぞれを簡単に説明すると、
- 基礎心理学・・心の法則を解明する分野。
- 応用心理学・・研究を役立てる実践分野。
といえます。
基礎心理学とは
まず基礎心理学は、人の心の一般法則を探求します。
つまり「普遍的な心のメカニズム」を科学的に解き明かそうとする学問になります。
なので、「研究・理論」に重きをおいているといえます。
応用心理学とは
次に応用心理学は、そういった基礎心理学の結果をふまえ、「人の生活にどう活用していくか」ということを探求します。
なので、「実践・実用」により重点がおかれています。
いいかえれば、「全般的な人間心理」に焦点をあてたのが基礎心理学で、「特定の人間心理」に焦点をあてたのが応用心理学ということもできます。


基礎心理学に分類される心理学
基礎心理学に分類されるものは以下のような学問があります。
認知心理学
認知心理学は「認知」を研究する心理学です。

たとえば車を見たときにそれが「車だ!」と分かりますよね。
このように何かを知覚して、それが何なのか理解したり、判断することを「認知」といいます。
この「認知」の処理のメカニズムを研究するのが、認知心理学という学問です。
比較心理学
比較心理学は、「動物とヒトを比較する」ことで、ヒトのこころを研究する学問です。
比較をし、人間だけの独自性や、その進化を探ることで、生物としてのヒトのこころを理解していきます。

発達心理学
発達心理学は、「人間の発達」によって生じる心身の変化と、そのメカニズムを探求する学問です。
もともとの研究範囲は「子どもが大人になるまで」の狭いものでしたが、現在では「受精から死にいたるまで」の生涯を通した広い範囲となっています。
発達段階を、胎生期・乳児期・幼少期・児童期・青年期・成人初期・成人期・老年期などに区分し、その心的、社会的、身体的な変化などを研究していきます。
生理心理学
生理心理学は、生理学的な方法で心のはたらきや行動の仕組みを解明しようとする学問です。
人間の心理的状態を客観的に捉えるために、脳や神経を測定し「心と身体のつながり」を研究していきます。
心理学と生理学の間にある学問といえます。
応用心理学に分類される心理学
つづいて、応用心理学に分類されるものが以下のような学問です。
臨床心理学
臨床心理学とは、医療現場に心理学をもちいて治療をおこなうための学問です。
臨床(リンショウ)
病床に臨んで診療すること。患者に接して診察・治療を行うこと。
コトバンク
心理的問題を抱える人の回復、援助、予防をすることが目的となります。
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教育心理学
教育心理学とは、教育に心理学を応用し、より効果的な教育方法をみつけようという学問です。
教育のなかでおきる問題を心理学的に明らかにし、それをまた実際の教育に応用していきます。
犯罪心理学
犯罪心理学とは、犯罪行為、それをとりまく周辺事象の理解に心理学を用いて明らかにする学問です。
スポーツ心理学
スポーツ心理学とは、スポーツのパフォーマンスに、心がどう影響するのかを明らかにしていく学問です。
スポーツのパフォーマンスをあげるトレーニングなどに心理学を応用していきます。
また、スポーツをすると心身にどういった影響をもたらすのかという点もその範囲となります。
まとめ:基礎心理学と応用心理学
心理学は、「基礎心理学」と「応用心理学」の2つに大きく分類ができます。
まとめると、基礎心理学は心のメカニズムを解き明かしていく学問で、この基礎心理学を知的基盤として、実際の生活への活用を研究していくのが応用心理学になります。
さらに、「基礎心理学」と「応用心理学」は細かい学問分野に分かれます。
一例としては以下のようになります。
基礎心理学 |
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応用心理学 |
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以上。基礎心理学と応用心理学の2分類についてでした。
今日がみなさまにとって、すばらしい一日でありますように。
